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2025/08/06 19:59



こんにちは。Homareです。

sssteinの25AWがスタートしました。MURPHHとしては2シーズン目となるsssteinですが、25SSは豊富なラインナップとはいかなかったので、今季は幅を広げ、もっと多くの方へ届くようなラインナップに。

sssteinのデニムパンツは毎回新型が出る。その新型を毎回楽しみにしているのですが、これ以上何をいじるのか、不安になるくらい多くのデザインを見てきました。特に同ブランドのデニムパンツは、テクすぎるデザインを盛り込んで放たれるものではない。太く、ルーズながら、大枠で言えば"普通"で"無機質"というやりすぎない絶妙なアプローチ。

ダメージ、ペイントやスプラッシュ加工等、誰がみてもわかるような、目に見えてはっきりとするポイントではない、"格好がいい新型"と無言の圧を感じるような一本が今季もリリースされました。


どこにでもありそうなワイドでロングなショートパンツに見えても、合わせ方や印象は全然異なる。プラスの意味でどう着たいかを悩ませてくれる一本。ヒゲにダメージ、フェードといった鬼加工。役満くらい盛り込んだデザインではありますが、いうほど迫力は感じないような微かな力強さです。

ゴリマッチョで中身が無いやつではなく、痩せ細ってガリガリの、今にも消えそうなやつが実は中身ぎっしりだったくらいの力強さ、つまり柔軟性。この見た目で脇役に入れる懐の広さがあるのは、毎日着たいと思う洋服を探す上ではとても大事なことではないでしょうか。


ワイド、ロング、紐がついてると、尚更スケートショーツを想像してしまいそうなところですが、"横ノリ"要素はない。もちろんショートパンツ特有の幼さみたいなものはあるかもしれませんが、時には幼さを味方にする時もあっていい。自分には無縁だと思っている方、sssteinのバギーショーツだからこそ引き出せる個性が必ずあるはず。


旧式力織機でゆっくりと時間をかけて織られたヴィンテージの表情が特徴のデニム生地。それぞれ染め方を変えているので、雰囲気だけではなく着用していった後の風合いも少しだけ変わります。言っても加工が強いのでここから大きな変化はないと思いますが、柔らかくはなりますね...当然か。笑

ヴィンテージの雰囲気がとても心地いい仕上がりのこのパンツは、ロープ染色。ロープ染色とは、"糸を、ある本数ごとの束(ロープ状)にして染色する"技術。魅力はたくさんあり、色むらが発生しづらいことと、糸の中心が"染まらない"ということ。

本来しっかりと染まる糸の中身、つまりトッポに置き換えるとチョコレートの部分のみ染まらないということは、エイジングすると白が見えてヴィンテージのような自然な色落ち、経年変化が最高に楽しめるということ。目に見えない手間暇のかかった綺麗なタテ落ちフェード=男らしく堅牢な雰囲気と、ワイド/ロング=トレンドであり、程よくヤング、この相対する2つが重なることで可能になる多くのスタイリングがあると思います。

・INDIGO
特濃ロープインディゴ染色

まだたくさん残っているインディゴ、数十年後にはアイスブルーになるかも。

BLACK
硫化染ロープ染色

こちらは硫化染め、グレーのように色落ちしていきますが、硫化は比較的色落ちし辛い技法。インディゴ染めに比べて柔らかくなりやすいなど細かい違いはあれど、僕たちにとってどちらであろうが個体差と思う程度なので、あまり関係ないと言えます。ただ、それぞれの活かし方を考えて作られているという丁寧なモノ作り背景が確かにある、ということを知って欲しい。



ウエストにはドローコードが入り、すっきりとしたウエスト周り。もたつき少なめのシルエット。サイズS, Mで大きく変化しそうなものですが、着用サイズを見てもらっても大きな変化はなく、微かにレングス、太さの好みで分かれるくらい、と思っていただけると選びやすいかもしれません。

大きめサイズで慣れてしまった僕としては真っ先にMサイズ。いつもMばかりオーダーするとsssteinの加藤さんは僕に、「sssteinのMサイズにみんなビビってるから、ちゃんと説明した方がいいよ笑」と言われますが、これに関してはまじで普通。ビビらず選んでいただいて大丈夫です。普段XSでも着用可能な僕が、Mサイズが適正やで、と言われても何も疑わないレベル。


5ポケット / ヒゲ / ドローコード / ダメージ

ssstein全般に言えることですが、地味にボタンがタックボタンや月桂樹じゃない点も無機質でいい。完売していますが、"HEAVY LINEN HERRINGBONE WIDE EASY TROUSERS"は尿素ボタンを使っていたり、細かく服好きの内面をえぐられます。


裾のダメージ。ぎゅっとソックスをあげてみるのもいいし、スニーカーや革靴、サンダルと楽しみ方も豊富。適当に選ぶだけで洋服をまとめ上げてくれる、何でも合うな...なやつ。後ろのパッチもウルトラスエードを採用し、クリーンなイメージに。こうして後ろ姿を見てみると、やはりヒップもすっきり、お尻が盛り上がるようなもたつきがないのが魅力。



sssteinほどのブランドが、この手のショートパンツを出していなかったことを疑問に感じたくらい、すでに他で買ってしまうほど多く溢れている"ちょっと長めのワイドショートパンツ"...。今さら、じゃなくて、今だからこそと教えてくれるかのようです。

ぶかぶか(BAGGY)でいて、ぶかぶかじゃない、sssteinらしいワイドショートパンツは、自分のスタイルをまた、新たなスタイルへと導いてくれるはず1本になると思います。


共地、同ディテールのロングもあります。たくさん入荷してきているので、ぜひチェックしてみてください。

MURPHH / Homare