BLOG
2025/11/04 20:10
今年の春頃、オーストラリアのメルボルンへ行きました。元々買い付けの名目で行ってきたのですが、戻ってきた時の僕は、その大量に抱えたハンドキャリーの荷物よりも別のものが印象に残っていました。
実際はめちゃくちゃマッチョのカンガルーや、ずっと寝ていて木から落ちそうなコアラか、おいしすぎてオイスターバーへばかり行っていたことか。はたまた、ホテルのランドリーサービスが無料だと勘違いして、アンダーウェアのクリーニングだけで2万円ほど払ったことなのか...。
新品が20セットは買えるなあ...。
そんな風に学びも多かったメルボルン。街は綺麗で、みんな優しい。今のところ旅行へ行った国の中では、ダントツでメルボルンに住みたいと思うほどです。
中でもいちばん好きだったのは、街ゆく人々の服装。以前ヨーロッパに行った時はまあそうだよな、と感じたのに対して、メルボルンで感じたのは固定概念にとらわれないリアルなファッション。また、古着屋が多く、ヨーロッパと比べると"着飾っている感がない"ということでした。というか着飾っているんだろうけれど、そう見えなくて、とても自然体だったんです。
いつも出かける前日から服装を考えたり、ああでもないこうでもないとやっている僕とはおそらく違う、まるで目の前にあった洋服を適当に着てきたんじゃないかという姿。ホテルで明日何を着るか考えて緻密にレイヤードをしているのが恥ずかくなって、街で服を買って着替えたほどです。
最終日なんて、いつもだったらしないようなパーカーとジーンズに、僕はなっていました。
その時にみたダブルニーパンツ。金髪坊主の青年が穿いていた、フェードブラックのダブルニーパンツ。トップスは、あれから探しても見つからないReebokのナイロンブルゾン。カモ柄のキャップ、バッグはGAPか何かだったろうか...。普段だったらときめかないスタイリングなのに、すごく格好よく見えたこの光景が、旅の中で一番印象に残っている気がします。
その後古着屋でCarharttのダブルニーパンツを何本か試着してみたのですが、中々しっくりとこない。それもこれもKOOKY ZOOの生み出す、古着らしい新品の姿に慣れてしまったからなのでしょうか。
今回のJUVENILEシリーズは、キッズサイズのCarharttのダックパンツをモチーフに仕上げられた一本。お馴染み、ぱっと見の違和感と、ビッグサイズのリベット、ボタン、目立つ巻き縫のステッチ。フェードしている古着は表情が強く、ダブルニーも浮き出て見えるほどですが、比にならないほどの迫力、でもヴィンテージのように雰囲気がとてつもない。
色を落とすためにかなりウォッシュをかけていることもあり、横糸の白がいい表情をしていますが、ここからさらに着用、洗濯を繰り返した後のことを考えると、まだまだこの先もずっと魅力を感じさせてくれる愛着のある一本になるはず。
丈は最近のパンツに比べて短め、生地はダックのためそれなりに硬いですが、加工のおかげで重い・動き辛いなどのストレスは感じないと思います。ウエストはキッズの個体がそうだったのか、後ろのみゴム入り。パンツ自体の存在感がかなり強いので、逆にゴムが緩衝材となって甘辛のバランスが丁度いい塩梅にも思える。
太く穿きたいからとサイズをあげるとストレスになるウエスト、崩れてしまうシルエットも、このパンツはウエストが合いながら、太さも十分。長らく穿いても今っぽいとはならないクラシックなデザインに、ユニークさと、ほんの少しの"今"要素を加えたサイジングが心地いいです。
サイズ : 30 (175cm)
サイズ : 32 (175cm)
サイズ : 34 (175cm)
サイズは30 / 32 / 34。全サイズ着用してみたところ、サイズ感というよりもフォルムの好みで選ぶもが良さそうといった印象。30だと僕の場合レングスが短いでですが、クラシックなジャケットスタイルだったら大アリですし、レザーシューズとのレングスのバランスも良い。少し上げすぎたので本来フルレングスで着用できますが、あえての短めも良さそう。
32、34はわずかな太さの差なので、程よい太さの場合32、それ以上がお好みの場合34が良さそう。身長的には170cm以下の場合30、それ以上の場合は32か34、180を超えるなら34ってところかと思います。
CECCHI DE ROSSI "MARKET TOTE" (COCCO)
普段慣れないジャンルの洋服も、KOOKY ZOOが作れば身近なものになる。
もし下着のクリーニングに2万円も払っていなくて、外出の時間が遅れていなかったら、そのダブルニーを穿いた青年には出会っていなかったかもしれない。悲しいことに、このパンツを穿くたびに思い出すことになりそうですが、その失敗がなければこのパンツも手元になかったのかもしれません。
