BLOG
2026/03/11 20:19
-Fade Off Balance-
子供の頃、母のクローゼットを覗いた。そこにはシルクのシャツやシルクのパンツが並んでいて、私にとって"大人"の象徴だった。まだ背伸びをしながら見上げていたその素材を、今の自分ならどう表現できるのか。その問いかけが、今回コレクションの出発点になった。
今の自分にとって、光沢の強い"大人なシルク"は、どこか少し恥ずかしい。だからもし私が選ぶなら、麺を混ぜて、洗いざらしのように着られるシルク。背伸びせずに、自然体で寄り添えるシルク。
そして、大人の気配を持つ麻は、80年代を思わせる大胆なブリーチデニムもまた、わずかなズレを刻みながら、このコレクションと重なっている。艶めく素材は、時に薄さや硬さをあわせ持ち、完璧な均衡からわずかに崩れた"かたち"となって現れる。その不完全さは、子供の頃に感じたぎこちなさや、未完成のまま許されていた余白と重なる。
大人になった今も、和たちたちは完成していない自分を抱えながら生きている。だからこそ、この"整いきっていない感覚”に惹かれるのかもしれない。
"Fade Off Balance" - そのわずかなズレの中に、今の私たちが寄り添える服がある。


こんにちは。Homareです。
Nomatの26ssが入荷しました。今季のテーマにもある絶対的主役なシルクをよそに、リネンの風合いに惹かれすぎてしまい、、、MURPHHではリネンのにもオーダーとなりました。
入荷を心待ちにしていた方にとっては寂しいラインナップかもしれませんが、ラインナップの中で一番着たいと思った洋服なので、ぜひ選んで欲しいと思う。ちなみに暖かくなってきたら発売しようと思っているリネンのセットアップを別注しているので、現在の入荷は1型、定番のノーカラージャケットのみ。
余談ですが別注はリネンのシャツ。インラインのパンツは入荷していますが、そのパンツと合わせてセットアップで提案したいアイテムなので、まだ4,5月ごろにアナウンスさせていただきます。だってまだ寒いですからね。
さて。


カーディガンのように羽織れるヘリンボーン織りのノーカラージャケット。定番として数シーズン展開されているジャケットで、MURPHHでは初のお取り扱い。デニムなど、過去リネンにコンチョをつけたもの展開、中でも、このカラーと素材の組み合わせに惹かれて、ようやくオーダーしました。
リネンの荒い雰囲気よりも、高密度でハリがある、モードなイメージが先行している印象ながら、着初めは硬さがあり、立体的。なのに落ち感があってどこかナードなニュアンスを纏っています。




脇下にはライナーのデザインを思わせるような処理がされ、可動域が広く、ゆったりしたサイズ感でノンストレスな着心地。また、袖の収まりもいいように設計されているので、縦のラインが強調され、美しいシルエットに。


シャツに合わせればドレッシーな面。Vゾーンは広すぎず、きっちりとしたテーラードジャケットのように見えてくれるので、僕のイメージはこっち。


タンクトップや古着のTシャツ、ネックの緩いインナーなど、敢えてしたはだらしなくても良さそう。合わせるパンツは、綺麗なスラックスもいいけどダメージジーンズや、ラギットなアイテムが眼に浮かぶ。


そんな"着始め"を楽しむ上質なリネン。
僕にとっては綺麗なリネンこそどこか恥ずかしくて、それこそ、このリネンジャケットを洗いまくってクタクタにして、やれた雰囲気を目指して着たい洋服です。綺麗すぎる白シャツ的な。ただそれも楽しめるのが今回のジャケット。おそらく洗っていくと、部分的に少し縮んだり、歪にもくたっとしていく予想外の育ち方をするかもしれない。けれどそれでいい、そんな1着。





あとは、そうですね。m's braqueに別注をかけたバギーパンツとあわせたいと思ってオーダーしました。
Nomatは比較的モードな印象を持ちますが、経年変化を楽しめる、儚げで粗野な空気感。元気な日光よりも、夕暮れの、いつ暗くなってもおかしくないような時間帯が合うような。
洋服には思い出が宿る。冒頭にある、Nomatのデザイナーに昔の記憶のように、育っていく洋服と共に自分の歳を重ねていくサマが容易に想像できるのも、このブランドに魅せられた理由なのかもしれません。
