最近買ってしまったショートパンツについて。デニムジャケット、シャツ、デニムパンツと一気に買い物をしてしまったわけですが、当初全く予定にはなかったショートパンツまでも...。

これが非常にいけ好かない。

まず正直なところ、価格の段階で買う予定がありませんでした。気分や時代の流れも相まって喉から手が出そうなところを抑えていたのに最終的に買ってしまうという単純なものですが、最近の市場を見ると、"ワイドロングショーツ"なるものは多く出回っています。

おそらく2,3万くらいで買えてしまうところ、その倍以上となってくると足がすくむ。縫製や生地なんて当たり前にいいのはわかっているけれど、、しかもショートパンツときてる。今年イチ頭を悩ませたかもしれません。

コットンナイロンツイル。強撚なので、ざらっとした生地感に、ナイロンのシャリっとした質感が混ざっているイメージ。しっかりと生地の質感を感じられますが、ドライなタッチで涼しげ。丈はスネ手前くらいの膝下になり、ワイドで少々横ノリ。ディッキーズのショートパンツのようだとも感じつつ、全くかすりもしない品の良さを持ち合わせています。

共地ではブラックの展開がありましたが、カラーはMUSCAT(マスカット)のみを仕入れました。どちらかといえばブドウなのはさておき、いい色です。

ブラウンとバーガンディの混ざった雰囲気で、日光が当たればチャコールのようにも見える。ブラックを差し置いて一軍になりうるニューベーシックカラーの立ち位置になりそうです。普段ベージュの洋服を結構手に取ってしまうな、って方は間違いなく気に入っていただけるはず。

GUCCI "90s Balmacaan Coat"

今時期から膝上は肌寒く、夜になるともっと厳しいですが、今時期から手に取れるショートパンツ。(すでに一週間連続で穿いているような気がします。) 持っていない方は持っておいた方がいい、素直にそう思います。

しかし、たとえフルレングスだったとしても約9万はなかなかもの。正直他でも補える、いらないパンツを切ってしまえばいい。くらいの気持ちでいたので、超リーズナブルな似たようなパンツを購入して着用していましたが、全く別物でした。比べることも烏滸がましいですが、このパンツを穿いてしまったらもう穿けません。

まず、純粋にパターンがいいこと。これは一言でいってしまうと陳腐な言葉に聞こえてしまいますが、正直そこに尽きるくらいシルエットがいい。アイロンをしなくてもしっかりと整った形、おさまりの良いウエスト。反対に、よくないパンツはアイロンをしなければ整わないし、アイロンをしても整わないこともある。あらゆる点で"気を遣う"ということをしなくていい、ニコルソンのショートパンツ。

ディレクターのニックと他の似たようなパンツのことで話していたとき、かなりパンクな感じで ナンセンスだって言っていたのを思い出しましたが、、圧倒的に言う権利がにあるなってぶっちぎり具合。

全ての洋服の作り込みが完璧ではないといけない。なんて僕は思いません。大前提縫製や生地の作りが素晴らしいことは賞賛されるべきことですが、第一に、洋服を着て気分が上がるかどうかが判断基準。毎日のように着たいと思える服、気軽に着られる服、そのときの気分にマッチしている服に、面倒くさい洗濯表記でも頑張って手入れしようと思える服。そうでないと、買う意味なんてない。

これは、僕たちが見て、感じていないことが反映されたブランドの洋服です。その後の人生に少しでも"楽しい"と感じるきっかけが増えたのであれば、安かろうが高かろうが、それは本当に良い買い物をしたと言えるでしょう。

高いものにはそれなりの理由がある。もちろん、理由がないものもあるだろうと思いますが、このパンツにはその価値がある。縫製や生地の良し悪しを見て価格と睨めっこするのではなく、今回は価格はさておき、ただ単純に良いと思って選ぶという、久しぶりの買い方をしてみました。

そんな悩みを取っ払うために検証もかねて買った"いけ好かないパンツ"は、今では買ってよかった、最高なパンツになっています。